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原料・素材編

綿花栽培

現在、綿花の栽培は世界約80ヶ国以上で行われ、地球緑化にも役立っている。ただ、日本では、商業的にコストなどが合わず商業栽培されている例はなく、アメリカ、オーストラリアなどから原料として輸入されている。綿の木はあおい科綿属の一年生、または多年生草木で、きれいな花を咲かせ、花が咲いた後にできる実(コットンボール)が成熟し、はじけ、中から白い綿繊維があふれ出る。コットンボールがいっせいにはじけると、綿畑一面に白い花が咲いたような感じになるために綿花と呼ばれている。

オーガニックコットン

農薬や化学肥料を使わずに、自然のサイクルに逆らわない農法で育てられたコットン。製品化された状態では、一般農法の綿でも洗い、染色加工を経るために残留農薬の心配はないとされているため、主な栽培目的としては、化学肥料、農薬などによって周辺環境や土壌に悪影響がおよばないようにすることや、ファーマーや農場周辺居住者への農薬などによる影響を防ぐことがあげられる。近年エコロジカルなものとして注目、評価され、現在トルコ、アメリカ、ペルー、インドなど約18ケ国で栽培されているが、全世界の綿花の作付面積からみると、未だその1%にも満たないといわれている。

NPO 日本オーガニックコットン協会(JOCA)

オーガニックコットンの栽培と、その製造過程において環境負荷を最小限にする方法の普及、そしてリサイクルシステムの構築を目指すことにより地球環境の保全に寄与する目的で設立されたNPO。オーガニックコットンの厳格な認証も行っている。

JAPAN COTTONマーク

日本国内で製造する高品質の綿素材を使用した製品に添付し、添付商品が国産素材であり、高品質であることを消費者にアピールし、さらなる需要振興を図ることを目的としてつくられている。 対象は、日本紡績協会会員が日本国内で製造した素材(原糸・生地)を使用した二次製品、手芸用加工糸ならびに家庭縫製用生地で、同会会員が国内で製造する原糸を100%使用したものに添付する綿100%用の「ピュア・コットン・マーク」と、綿50%以上用の「コットン・ブレンド・マーク」の2種類のマークがある。

繊維長

コットンの繊維の長さのこと。一般的にコットンは繊維の長さによって、短繊維綿(平均21mm未満)、中繊維綿(平均28mm未満)、長繊維綿(平均28mm以上)と分類されている。そして長繊維綿の中でも特に平均 35mm以上の繊維長を持つコットンは、超長綿と呼ばれている。

超長綿

超長綿とは、平均繊維長が35mmを超える希少性の高いコットンのことで、コットン生産の大部分を占める中繊維綿などに比べて、高級なごく細い糸を紡ぐのに適している。また確かな技術で紡績、編みたてなどの加工を施すことにより、自然な光沢、しなやかさ、肌触りの良さ、強さを兼ね備える美しい生地に仕立てることの出来る素材である。代表的な超長綿としてエジプトのギザ綿、ペルーのピマ綿、アメリカのスーピマ綿、西インド諸島の海島綿などがある。

コーマ糸

綿花を紡ぐ最終工程でコーミング(combing=櫛がけ)を行い、短い未熟部分を約15%~20%取り除いた綿糸。コーミングを行うことで長い繊維だけが平行に揃えられた糸は、強さを増し、けばだちも少なく艶の良いものになる。日本の紡績会社のコーミングの技術力は、世界的にも高く評価されている。

SZ糸

綿糸を撚る際に、右撚り(S撚り)と左撚り(Z撚り)を一定間隔で交互に入れ替えた糸。通常、綿糸の天竺編みは、洗濯後に生地が一方向にねじれやすい(斜行)が、SZ糸では斜行が抑えられるメリットがある。このためウエストラインがシェイプされたシルエットなどの場合の脇縫いに適している。また、通常の綿糸の天竺編みとは、編みあがった生地表面の表情が異なる独特の風合いの生地となる。

番手(綿糸)

糸の太さの単位で、基準重量1ポンド(約453g)あたり単位長840ヤード(約767.8m)の何倍になるかで表わし、綿糸の場合、数字が小さいほど紡績糸は太いということになる。通常Tシャツ用としては40番手、30番手、20番手、18番手(国内紡績会社はほとんど生産していない)、16番手が用いられることが多く、一般には20~16番の太番手を使用したTシャツを、いわゆる「ヘビーウエイト」と呼ぶことが多い。

天竺編み(平編み)

Tシャツ用の身生地として、もっともポピュラーな編み組織で、英語ではジャージーステッチ(Jersey Stitch)と呼ばれている。1列の針で編目をすべて同方向に引き出して横編み機、丸編み機で編まれた基本組織中で一番薄く編むことができる組織。

フライス編み(ゴム編み)

緯メリヤスの基本編みの1種で、縦方向に表目と裏面の縦に連続したループ(編目)が、交互に並んでいるもの。そのため生地の裏表の区別がない。横方向の伸縮性が大きさからゴム編みとも呼ばれ、フィット感に優れる特性から、レディースのいわゆるピタTやメンズのタイトフィットTシャツに用いられるほか、天竺編みのボディー(身頃)のTシャツの衿部分に使用されている。

スムース編み(両面編み)

1×1フライス編みを2つ組み合わせた両面編みの別称で、編地の表面が滑らかで、すべすべしていることからスムース(編み)と呼ばれている。表裏どちらの面から見ても編目がなめらかで、多少厚みのある質感と、適度に抑えられた伸縮性が特徴。

度目、度詰め

度目とは、編目の密度を表現する慣用語で、度詰めとは密度を詰めて生地を編みたてるこという。ただし、度目を詰めたからいい生地になるというものではなく、糸質、度目などの各編み機の設定、その後の染色過程など全てのバランスを取ることに、経験や知識などが必要とされる。

目付け(グラム、オンス、匁)

一定の大きさの生地(生地目付け)または製品(製品目付け)の重さ(グラム、オンス、匁)のこと。ただし基準や尺度は業界で統一規定されたものは無く、国やメーカーによって異なるために、消費者にとって正確な判断基準とはなりにくい。例えば生地目付けの場合、同じ生地の1平方メートル分であっても、未染色、染色後の白生地、濃色生地では目付けは異なる。しかし、どの状態で計るかの決まりは特に無く、各メーカーが選択して計測しているので確認が必要である。

染色

繊維製品の染色では、糸の段階で染める先染め、編みあがりの生地で染める生地染め、製品になってから染める後染め(オーバーダイ、どぶ染め)がある。

白度

白いTシャツの白さの度合いのこと。綿花の産地・種類・糸の加工・染料・染色工場の土地の水質などで白度は変化する。Tシャツでも、一見して白が美しくなくオフホワイトに見えてしまったり、洗いこむうちに黄色くなってしまうものも多い。一方、蛍光染料を使用すれば一見すると白く染まるが、青白く自然な風合いが損なわれる場合が多い。繊維の芯まで白く染めるにはノウハウが必要で、業界では、「白を見れば、その工場(製品)の実力がわかる」といわれている。

染色堅牢度

着用、洗濯を重ねていった際の、色落ち、色あせの度合いを測る基準で、例えば検査機関である(財)日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の場合、1~5級で表わされ5級が最高となる。

縮率

まず素材として綿は、もともと洗濯などをした場合の縮み率は多く、その縮率は約12%位と一般的にいわれる。またTシャツに用いられるニット編みの生地は、Yシャツなどの布帛生地に比べて縮みやすい構造をしているが、そのことがTシャツに適した肌さわりの良いやわらかさや、快適な通風性を生んでいる。ただし、綿のニット製品といえども、見かけ収縮率が大きいと消費者の混乱をまねく恐れがあるため、検査機関では、メーカーが編み機の度目調整や生地の染色上がり時のセット巾の適切な設定、防縮加工などを施すことにより約7%までの縮率に抑えることを求めている。

防縮加工

湿気を与えて緩和収縮を行ったり、生地の染色上がり時にタンブル乾燥を行い、予め生地段階で縮ませることでニット編みの生地が洗濯などで縮む、いわゆる縮率を少なくする加工。海外メーカーではpre-shrunkと呼ぶところもある。

家庭用品品質表示法表記

家庭用品品質表示法によって、繊維製品には、 (1)組成表示(綿100%など) (2)取り扱い絵表示 (3)はっ水表示(水をはじく素材の場合)の表示が義務づけられている。通常は洗濯ネームまたは下げ札に表記されている。

絵表示(洗濯ネーム)

繊維製品は、品質表示のほかに、洗濯などの取り扱い方法を簡単に知らせるために絵による表示がなされている。この絵表示は、JIS規格で定められたもので、その記号には、
(1)洗濯方法 (2)塩素漂白の可否 (3)アイロンのかけ方
(4)ドライクリーニングの可否 (5)しぼり方 (6)干し方 の6つが規定されている。

PL法(製造物責任法)表記

PL法では、繊維製品にも、製造,加工もしくは輸入した者は、自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名(商号)、住所または電話番号の表示をすることを求めている。これにより製造物の責任の所在を明らかにするだけでなく、消費者は万が一の場合の連絡が取れるメリットがある。繊維製品の場合、通常は絵表示に表記して製品に取り付けられている。